クライオニクスの歴史(JCAホームページより)、他


クライオニクス・マガジン(創刊号:)

日本初、そしてもちろん唯一のクライオニクス
(人体冷凍保存)についての雑誌、まぐまぐでも発刊です。
当面隔週水曜の発行です。この雑誌は、
(1)クライオニクスの基礎知識
(2)内外のクライオニクス関係の動き
(3)クライオニクス関連団体の紹介
の3本の柱で構成されています。どうぞお楽しみに!

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クライオニクスの歴史(JCAホームページより)
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(1)考え方、初期の保存
少なくとも、1920年代あたりから生命保存の考えは
検討されてきました。1964年にRobert C.W.Ettinger
氏によって発行されたThe Prospect of Immortality
(不死への展望)という本を皮切りに実際の人体冷凍保存学
は研究されはじめました。最初に冷凍されたのは1967年
1月12日に冷凍された James Bedford博士です。
エッチンガー氏は現在も現役で、Cryonics Instituteという
団体を主宰しています。現在、最大のクライオニクス団体
であるアルコー生命延長財団は1972年に設立されました。
アルコーは1976年に最初の冷凍保存を行いましたが、
70年代の保存技術は未熟なものであり、将来の回復
(Reanimation)についての展望もきわめて薄いものでした。

(2)ナノテクの考え導入による成長
1980年代前半に、医学的また科学的経歴を持つ二人の
人体冷凍学者がアルコーに参加したことで研究が進み、
保存法も改善されました。しかし、それでも回復については
展望がありませんでした。冷凍により細胞が凍り、解凍する
ときに受ける損傷により回復は望めないというのが科学者の
見解でした。状況が変わったのは、Eric Drexlerが
分子レベル技術(ナノテクノロジー)について書いた
Engines of Creation が出版されてからです。分子レベルの
大きさで、知能をもったロボット(アセンブラーと呼びます)
が細胞の損傷を直せるという推測が書かれています。
この本により多くの学者・技術者がクライオニクスに興味を
示すことになりました。この時期、アルコーも量的に大きく
成長しました。ドレクスラー博士もアルコーの会員であり、
フォアサイト研究所でナノテクノロジーの研究を進めて
います。

参考文献
・不死テクノロジー エド・レジス著 工作社
・ナノテクの楽園 エド・レジス著 工作社

ちなみにアルコーによる脳だけの保存の必要最低料金は
5万ドル程度です。もちろんこれは米国内の話です。米国で
非常時にアルコーがかけつけて保存をしてくれるという
保証料金は年額300ドル強です。くわしくはホームページ
をごらんください。5万ドルを払うことが難しい場合、
生命保険にはいって受取人をアルコーにするという選択も
あります。その場合、月額60ドル程度です。日本ではまだ
サービスはありません。イギリスではほぼサービスが可能に
なり、台湾でも別組織が準備中です。

(3)より完全な保存への挑戦
ナノテクノロジーは人類の価値観まで変えてしまうような
可能性を持ったものです。しかし、まだいかにすれば冷凍
された人を回復させるような「アセンブラー」ができるのか?
その道筋は示されていません。現代の医学の延長で、完全な
保存を実現すべく研究を続けている団体があります。
21世紀メディスン(21CM)がそれで、年間1億円を
こえる研究資金を投入しています。ここの中心人物は
Saul Kent で、かれはビタミン等寿命を伸ばす
(Life Extention)薬の販売事業で成功し、その収益を研究に
投入しています。あと何年で完全な保存が実現するか
については意見がわかれていますが、21CMと関係が
深かったPaul Wakferは20年以内と見積もっています。
が、その前提は100億円の研究費を毎年充てることです。
21CMは Saul Kentを中心とした小さなグループですが、
近々資金集めを再開するようです。なお、21CMに関連の
深いクライオニクス団体にCryocareがあります。

参考 : 関連した動き

1)回復への期待
回復への道筋が示されていない現在、クライオニクス団体は
回復を保証できるものではありません。が、回復の可能性
なしには人々はクライオニクスの世界に飛び込まない
でしょう。回復に関連する動きをいくつか紹介します。

・Life Pact
アルコー内部の団体です。もし自分が回復(Reanimate)された
ら Life Pactの他のメンバーの回復に尽力するということを
誓うグループです。最初のひとりは科学的研究のため復活
できるだろう、そうすれば誓った仲間は次々復活できる
だろう、という趣旨で結成されました。

・Reanimation Foundation
復活に備え、リヒテンシュタインで投信を利用して財産を
管理します。このグループで投信の契約をすると、それぞれ
Individual Reanimation Account を持ち、自分が法的に
死んだ後も財産を管理してもらうことができるとの
ことです。Saul Kentがリーダーです。もちろん、
Suspensionの契約をしていない人はこのグループのメンバー
になることはできません。

・Metamorphosis Society
よき未来を作るため努力し、その結果未来へ行こうという
団体です。Life Pactに近いですが、特定のクライオニクス
団体に属さず、Futuristのネットワークを作り、未来の
Futurist(すなわち後輩、仲間)によって回復させてもらう
ことを期待するネットワークです。いつかはReanimationの
手法が確立し、かつ安価になるはずですので未来の後継者
による復活が期待できると考えています。
米国、オーストラリア、ドイツ等にメンバがおり、
発起人は日本人です。

2)安楽死
安楽死が法的に認められているのはオランダと米国オレゴン州
です。ミシガン州が投票寸前、アリゾナ州でも法案が用意され
ています。この法案はクライオニクスにとって重要です。
たとえばアルツハイマーによって自分の脳が壊れていくのを
座して待つより、自ら生命活動を中断することができるかも
しれません。「死」はゆっくりとやってきます。
医学的に「死」と宣告されてからも復活の可能性は十分ある
わけです。一時期クライオニキストの間ではやったジョーク
を紹介しましょう。

「心臓が止まった?? うーん、そりゃちょっと
具合が悪いなあ(笑)」

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日本のクライオニクス関係の団体
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(1)JCA
1998年9月、日本在住のアルコー生命延長財団の
メンバが中心になってJCA(Japan Cryonics Society)
を発足させました。東京をベースに活動しています。
当面の目的は正しく理解されにくいこの「クライオニクス」
というものの正しい姿をできるだけ多くの日本人に伝えて
いくことです。そのためにホームページを開設して
おりましたがこのほどメールマガジンも発行することと
なりました。
メーリングリストには、遠隔地からの参加者もあわせて
10人強参加しています。ミーティングは隔月程度で開催
しています。

JCA : http://www.kanon.to/jcaindex.html

(2)Metamorphosis Society
前出の記事「1)回復への期待」を参照ください。現在、
残念ながら活発に活動ができていません。英語が得意な
アクティヴネットワーカの参加が望まれます。

Metamorphosis Society : http://www.kanon.to/ms.htm

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アルコー生命延長財団の紹介
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クライオニクス関連の団体としてまず紹介しなければなら
ないのがこの団体です。日本のマスコミでクライオニクス
関連の団体が紹介されるときには必ずといっていいほど最初
にこの団体がきます。冷凍保存の契約をしているメンバーが
400人以上、すでに10数名の患者を保存しています。
最近では、医学的「死」が近づいた人を確実に保存するため
の体制作りに力を入れています。中でも、多くのメンバに
「死」宣告後の人体への初期処置ができるようになって
もらうための教育に注力しています。
(初期処置が済んだらアルコーまで運んで本格的に
長期保存のための処置をするのです)
この教育は昨年始めて米国以外(イギリス)で行なわれ
ました。

アルコー生命延長財団 : http://www.alcor.org

============クライオニクス・マガジン============
・隔週水曜発行
・発行者:JCA(e-mail : cryo-j@kanon.to)
・発行人:山本 邦雄
・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
を利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
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