再びHSCP(http://www.neurocryo.org)、他


クライオニクス・マガジン(第17号 2000/9)

Paul Wakferが進めているプロジェクト、
Hippocampal Slice Cryopreservation Project (HSCP)
を日本からも支援しませんか?

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再びHSCP(http://www.neurocryo.org)
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今月もHSCPについて書きます。この研究は、思ったよりはるかに
重要であることがわかってきました。

何度かお伝えしているように、クライオニクス技術の開発で先行して
いるのは21st Century Medicine (21CM)です。21CMはおととし
「合成アイスブロッカー(合成氷遮断剤)(注:凍結保護物質の機能を
高める物質)」と新しい凍結保護物質(注:低濃度・高温でもガラス化
を実現できる物質)を開発しました。これにより復温時の(損傷の)問題
を回避できる見込みでであると発表しました。

21CMの実験は、ウサギの腎臓を対象に行なわれました。ウサギの腎臓は
95%回復できたというが、腎臓を「機能的に生かすことができた」わけでは
ありません。「細胞レベルで生かすことができた」だけです。INC
(HSCPの実施主体)は、ウサギの海馬薄片でも同じ成果をあげるために実験
を続ける予定で、そのためのファンド(基金)を募っています。
INCは21CMから全面的な協力を得ています。この、海馬薄片を冷凍保存
するプロジェクトがHSCP(海馬薄片冷凍保存プロジェクト)です。

これが実現すれば、INCは、プロジェクトの本来の目的である脳の薄片の完
全な保存に挑戦します。そのためには、さらなる資金が必要で、脳全体の
保存はその次、全身保存はそのまた次なのです。

21CMは、クライオニクスの研究をするための会社ABSの設立を予定して
いるとおととしから発表していますが、まだできていません。現時点では
HSCPが最も注目すべき研究です。現在、HSCPはCryonics Society of
Canadaの創始者であるBen Bestなど少数の人間によって支えられています。
Benも、21CM研究者のトップであるGreg Fahyが「この研究は進めるべき」
を判断したから資金を拠出したとのことです。独自に研究をすすめている
エッチンガーも1万ドルを拠出することに決めたそうです。

Fahyの指導ものと研究をすすめるYuriは優秀なcryobiologistで、
21CMの研究にも役にたつ人材です。その研究はアルツハイマーや
パーキンソン病の治療にも役にたつだろうと言われています。ウクライナ
の人です。クライオニクス技術の進展を真に願うのであれば、この
研究にはいくばくかの資金をだすべきと思います。

質問等あればcryo-j@kanon.toまでコンタクトくださいませ。

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CIのフレンドリーなサービス
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日本でクライオニクスを受ける希望者が受けられるようにする環境
整備を検討している過程で、Cryonics Institute(CI)の中心人物と
意見交換する機会がありました。CI(http://www.cryonics.org/)は
クライオニクスの創始者エッチンガーが設立した組織です。
日本からサービスを受ける場合も大変手厚く世話をしてくれるようです。
ヨーロッパではBarry Albin & Sons(http://www.albins.co.uk/cryonics.htm)
という団体があり、ヨーロッパで死んだ人を簡易的に冷凍保存してCIまで
運ぶような会社もあります。日本でもこのような形でサービスを提供するのは
そんなに難しい話ではないかもしれません。現時点、JCAではこのような
検討をする余力がありません。どなたか、新しくメンバになってこのような
検討をされませんか??

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